WBC独占配信でネットフリックスが急上昇した理由

WBC独占配信でネットフリックスが急上昇した理由
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  • キーワード:ネットフリックス
  • トレンド発生時刻:2026年03月08日 19:20
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2026年3月5日に開幕したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本国内独占配信権をNetflix(ネットフリックス)が獲得し、地上波テレビでの放送が一切なくなるという異例の事態が発生した。

大谷翔平も出場する国民的スポーツイベントの視聴方法を調べる人が急増し、「ネットフリックス」が検索トレンドで急上昇している。

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配信権料150億円、テレビ局には手が届かず

今回のWBC配信権料は一説に150億円とも言われ、NHKと民放各局が束になっても払いきれない金額とされている。

民放連の早河洋会長(テレビ朝日会長)は「まったく想定していなかった」と述べており(朝日新聞2025年10月20日)、2022年にABEMAがサッカーW杯の独占配信権を獲得した先例があったにもかかわらず、テレビ局側の対応の遅れが浮き彫りとなった。

Netflixは日本市場で独自の課題を抱えている。

2025年時点でTV番組・ドラマ部門におけるオリジナルコンテンツの割合は約27.7%と、世界他地域の70〜90%台と比べて突出して低い。

日本の視聴者が国内アニメや地上波ドラマを好み、それらがAmazonプライム・ビデオやディズニー+、TVerなど他サービスでも視聴可能なため、「Netflixでしか観られない」という強みが機能しにくい構造にある。

こうした状況を打開するため、WBCという国民的キラーコンテンツの独占配信権獲得はNetflixにとって「最善手」と言える戦略だった。

期間限定498円の価格戦略と世論の反応

NetflixはWBC開幕に合わせ、広告付きスタンダードプランを通常890円から期間限定498円に値下げし、新規会員獲得を積極化している。

一方、共同通信の世論調査では、WBC視聴のためにNetflixと「新たに契約した。あるいは契約する」と答えた人は4.9%にとどまった。

注目すべきは「見たいが契約しない」と回答した人が36.4%に上ったことだ。

WBCを観戦したいという意欲はありながらも、新規契約には踏み切れない層が多数存在する実態が明らかになった。

明石家さんまも驚き「夢にも思わなかった」

国民的タレント・明石家さんま(70)が3月7日、MBSラジオ「ヤングタウン土曜日」に出演し、Netflixの急速な浸透に驚きを示したことも話題に拍車をかけた。

「すごいよな。まさか、野球をネットフリックスでやるとは夢にも思わなかったからな、我々は」

さんまは2018年に公開された自身が企画・プロデュースしたNetflixオリジナルドラマ「Jimmy アホみたいなホンマの話」以来、Netflix関係者とのつながりがある。

当時、岡本昭彦吉本興業社長から「ネットフリックスに入るんです」と言われた際には否定的な見方をしていたと明かし、「10年経ったらこうなった。何もかも変わってきた時代で」と語った。

前日にはNetflix実写版「ONE PIECE」シーズン2の試写会に訪れており、Netflix関係者に対して「あこぎやな」と冗談交じりにやりとりしたことも明かしている。

スポーツ中継の配信シフトと日本の構造的課題

今回の出来事は、2022年のABEMAによるサッカーW杯独占配信に続き、スポーツ中継のOTT(動画配信サービス)シフトが加速していることを象徴している。

韓国ではOTTのTVING(CJ ENM傘下)がNetflixに匹敵する規模に成長し、WBCの韓国全試合の独占配信権を取得した上で、地上波への韓国戦サブライセンスを販売するなど、Netflixへの対抗軸を形成しつつある。

一方、日本の民放テレビ局による国内OTTはFOD、TELASA、Huluなどに分散したままで、韓国とは比べものにならない遅さだ。

日本のプロ野球界にも構造的な問題がある。

  • NPBが放映権を球団ごとに管理しているため一括管理ができず、コンテンツ戦略が機能していない
  • WBCが実質的に日本選手のMLBへの「ショーケース」として機能し、村上宗隆や岡本和真など有力選手の流出が続いている
  • Netflixの全世界シェアで日本語コンテンツは5%を占め、コンテンツ力は高いにもかかわらず、プラットフォームをアメリカ資本に握られている

GEMパートナーズのデータによれば、Netflixは2023〜2025年にかけて動画配信サービス市場での売上を大きく伸ばし、年間1600億円超の規模に達している。

WBCで日本が勝ち進むほどNetflixへの新規流入は増え、OTTの視聴習慣はさらに定着していく。

今回のNetflixによるWBC独占配信は、単なる放映権の問題にとどまらず、日本のテレビ局とプロ野球界が抱える構造的な弱さを浮き彫りにした出来事として、今後も議論が続きそうだ。

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