- キーワード:日経先物
- トレンド発生時刻:2026年03月10日 05:40
- キーワードボリューム:100,000 高🚀
2026年3月9日、週明けの東京株式市場で日経平均株価が前営業日比2892円安の5万2728円と急反落し、一時は4000円を超える下げ幅を記録した。
きっかけは、イラン国営メディアが8日に報じたハメネイ師の死去と後継者選出のニュースだ。
新たな最高指導者に次男のモジタバ・ハメネイ師が選出されたことで中東情勢が一気に緊迫化し、ホルムズ海峡封鎖リスクの高まりとともに原油先物が急騰。
これを嫌気した売りが東京市場に殺到し、「日経先物」が急上昇キーワードとなった。
令和のブラックマンデーに匹敵する暴落
この日の下落幅は過去3番目の水準であり、2024年8月5日に「令和のブラックマンデー」と称された4451円安を彷彿とさせる規模となった。
日経平均は5万5000円台はもちろん、5万4000円、5万3000円、5万2000円と一気に4段階のフシを踏み抜く文字通りの暴落に見舞われた。
特に衝撃的だったのは、2月27日に史上最高値を形成した直後の急降下であったことだ。
約1カ月ぶりに5万3000円を割り込み、積極財政を掲げる高市早苗首相への期待から形成されていた「高市トレード」による株高の上昇分が振り出しに戻る形となった。
複合的な悪材料が同時に直撃
今回の暴落は、中東有事だけが原因ではない。
複数の悪材料が同時に重なったことで、リスクオフが異例の規模に膨らんだ。
- 中東有事の長期化:トランプ米大統領がイランへの軍事攻撃に軸足を移し、ホルムズ海峡の事実上封鎖と原油高騰の連鎖リスクが現実味を帯びた
- 米雇用統計の大幅悪化:2月の非農業部門雇用者数が市場予想(5〜6万人増)に反して9万2000人の減少となり、リスクオフに火をつける起爆剤となった
- 米ブルー・アウル・キャピタルの一部解約制限:AIインフラへの巨額投資の資金調達で急先鋒だった同社の動きが、投資家心理の弱気転換を示唆
- スタグフレーション懸念の再燃:エネルギー資源を持たない日本は米国以上に深刻で、エネルギー構造が酷似する韓国KOSPIの急落も話題に
テクニカル面の崩壊がパニック売りを増幅
チャート上でも危険なシグナルが点灯した。
滞留出来高が突出していた5万4000円ラインを完全に下抜けたことで、ネガティブな思惑が助長された。
さらに、強力な下限ラインとして意識されていた75日移動平均線を朝方早々に一気に下方ブレークしたことが、リスク回避ムードを増幅させた。
市場の不安心理を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前場終盤に一時66.65まで急伸し、2025年4月の米相互関税発表後の62.46を上回る水準に達した。
日経VI先物の急伸によりサーキットブレーカーが発動される場面もあった。
「底打ち」サインは出始めたが確信には遠い
市場では株価がいつ底値をつけるかに関心が集まっている。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、高水準のVIについて「悲観的なシナリオに基づく投資家のショートポジション構築は一巡した可能性がある」と指摘し、底打ちの兆しとして注目している。
空売り比率も前週に一時43まで高まっており、9日の下落を経て44以上に高まっていれば「もうひとつの底打ちサイン」になり得るという。
一方で慎重な見方も根強い。
日経VIは2024年8月の急落時につけた85.38にはまだ距離があり、年初来高値からの下落率も今回は約13%にとどまる。
24年8月の26%、相互関税時の23%と比べると「道半ばにもみえる」との指摘もある。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「仮に、あすもきょうと同程度の下落となって、日経平均が4万円台後半に下落するようなら、セリングクライマックスを迎えたと判断できるかもしれない」と話す。
今後の焦点は原油価格と新指導者の動向
9日午後には、G7財務相が国際エネルギー機関(IEA)が調整する緊急石油備蓄の共同放出について協議すると英紙フィナンシャル・タイムズが報じ、原油価格はやや落ち着いた動きとなった。
ただし、これで本格的に落ち着くかは不透明と受け止められている。
アセットマネジメントOneの浅岡均チーフストラテジストは「原油の供給不安による経済への悪影響が出てくるなど、一段の悪材料があれば株価には下げ余地がありそうだ」と指摘する。
松井証券の窪田氏は、エネルギーのサプライチェーンが滞り電気料金が高騰すれば、データセンターの収益性悪化への警戒につながり、AI関連株がけん引する株高シナリオが崩れるリスクがあるとみている。
新たなイラン最高指導者がどのような発言をするのか、それを受けた原油価格の動向が当面最大の焦点となりそうだ。
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